債務整理は悪いことではない

総量規制が出来てからというもの、昔のように無茶な消費者金融からの借金は重ねられなくなりました。しかし、それでもまだまだキャッシングの返済に関する悩みは出てくるもので、借り入れ件数の増加や生活環境の変化によって支払いが出来なくなってしまう場合もあります。

 

「払えないものは仕方ない」と借金の返済をそのままにしてしまっても何も解決せず、時間が解決するほど借金は甘くはありません。一応は5年間の時効はありますが、相手が大手業者の場合には時効を中断する手続きを取られた上に債務名義というものまで取られてしまう可能性もあり、この段階まで行ってしまうと給与の差し押さえなどを受ける場合があります。

 

借りたお金は債務整理をしてもしっかりと解決をする

返済が出来ないからと借金をそのままにするには、あまりにもリスクが高すぎます。払えないなら払えないなりの債務整理の方法もあり、いつまでも残債を残しておくのも信用情報にも良くないため、借りたお金については自分にあった債務整理でしっかりと解決をすべきなのです。

 

債務整理も昔に比べると身近になったと言える

TVCMや電車の中吊り広告などでも借金の相談や整理に関するものをよく見かけるようになったことで、昔に比べると債務整理はぐっと身近になったと言えるでしょう。一昔前は債務整理と聞くと凄い悪い、言ってみれば「ブラック」なイメージもありましたが、今ではそのようなことも無いのです。

 

債務整理は家族にも内緒で行うことが出来る

内緒で行う債務整理

債務整理は基本的に債務者本人と債権者の間の問題となります。そのため、家族は関係ないために家族の同意も不要で、手続きから借金の完済まで内緒でももちろん可能です。

 

弁護士や司法書士などの専門家に依頼して債務整理をする際にも、秘密は守ってくれるために郵送物に関しては個人名で送ってくれたりと、しっかりと配慮してくれます。

 

債務整理には色々な種類がある

債務整理と言っても、様々な方法で借金の整理が出来るようになっています。間違った認識を持っている方が多いのですが、実は借金の整理の手続きの上での「債務整理」というものは存在しません。多くの場合は「任意整理」「自己破産」に分けられ、その他にも「特定調停」「個人再生」を含めて、債務を整理するという意味で債務整理と呼ばれるようになっています。

 

それぞれの債務整理の特徴とメリットデメリット

債務整理を検討するのであれば、まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。正しく認識しておかないと、せっかく債務整理の手続きを開始したのに返済が楽にならないなどの問題も出てくるので要注意です。ここでは、借金の整理である債務整理に関する簡単なそれぞれの特徴とメリット、デメリットを説明いたします。

 

任意整理

任意整理とは、直接各債権者(貸金業者)と任意による(裁判手続きによらない)示談交渉をし、借金の減額を目的とした手続きです。任意整理を行うことによって、無理のない返済計画を立てられるようになります。
任意整理のメリットとデメリット

 

特定調停

特定調停は債務整理の中でも、専門家の手を借りずともできる借金の整理です。裁判所が間に入る調停(裁判所での話し合い)手続きに属していて、専門知識を有した2名以上の調停委員が借金の整理をサポートしてくれます。
特定調停のメリットとデメリット

 

個人再生

債務整理手続きの中でも、少し特殊な位置づけなのが個人再生です。裁判所から認可をもらい、法律で決められた最低額以上の返済を3年間続けることによって、残った債務が免責となる(支払い義務がなくなる)手続きを言います。
個人再生のメリットとデメリット

 

自己破産

債務整理の中でも、自己破産は割と一般の方も知っている場合が多いです。しかし自己破産のイメージといえばあまり良くないことも一般的で、中には大きな誤解に基づくこともあります。
自己破産のメリットとデメリット

 

自己破産と任意整理

自己破産の特徴といえば裁判所からの認可をもらわなければならない点です。しかし、任意整理であれば裁判所はまったく関係がありませんので、債権者とはそれぞれ個別に交渉をすることになります。自己破産とは違い、任意整理は裁判手続きではないのです。
自己破産と任意整理の違いについて

 

債務整理の多くは任意整理と自己破産に分けられる

キャッシングやクレジットカードによる借金で悩んでいる方の多くは、任意整理か自己破産で債務整理をするケースが多いです。特定調停や個人再生はどちらかというとイレギュラーなものであり、仕事をしていていくらかの安定した収入を得ている方であれば、任意整理による利息のカットと長期分割返済のメリットが非常に大きくなるのです。

 

債務整理をしても借金をそのままにしても事故情報になる

借金をそのままにするのが一番良くない

キャッシングやクレジットカードの支払いが出来ずに長期の滞納をしていると、信用情報機関に事故情報が記載され、所謂「ブラック」の状態になります。

 

債務整理をしても同様に事故情報が記載されるのですが、借金を払わずにそのままにしていればブラックの情報は消えずに残り続け、これからずっと新規でカードを作るのも困難となってしまうのです。

 

しかし、同じ事故情報が記載されるとしても、債務整理をしてしっかりと完済をすることで一定期間が経てば事故情報が消えるため、新規でカードを作ったりローンを組んだりも出来るようになるのです。

 

個人再生や自己破産など、官報に載る債務整理をすると、悪質なヤミ金業者などが官報の情報を元にダイレクトメールを送ってくる場合があります。それらを避ける意味でも、債務整理の中でも任意整理の人気が高いのです。

 

債務整理手続きは専門家に依頼をするのが最も確実

債務整理の手続きは自分ひとりで行えますが、中には専門的な知識が必要なものもあるため、本格的に整理をしようとするのであれば専門家に依頼をするのが一番です。任意整理などは債権者の合意が無いと始まらないため、個人で行っても業者側が応じない場合もあるのです。

 

特定調停であれば債務整理に関する専門的な知識が無くても行えなくはないですが、やはり債権者が出頭に応じてくれないことにはどうにもならず、更に決められた支払いが出来ないと給与の差し押さえなどの強制執行となってしまうため、デメリットやリスクが大きいと言えます。

 

そのあたりを含めると弁護士や司法書士といった借金の専門家と相談をし、自分に合う債務整理をするのが手っ取り早く確実であると言えるのです。

 

債務整理にかかる費用

ただ、専門家へ依頼するとなると気になるのが費用の面です。お金が無くて借金の返済が出来ないのに、債務整理で多額の費用がかかってしまい、払えなくて結局は債務整理が出来なかったというのでは意味がありません。

 

しかしその点はしっかりと考慮されており、費用の分割での支払いも当然ながら認められるケースが多いため、安心して着手してもらうことが出来ます。

 

かかる費用は依頼をするところによって異なる

過去には弁護士会による報酬の基準があったためにある程度の費用は決まっていたのですが、現在では規制が緩和された関係で撤廃されています。しかし、弁護士報酬の目安としての基準としては以下でも名残がありますので、多くの弁護士事務所では過去の報酬基準を参考にして金額を決めているとされています。

 

債務整理で必要となる主な費用

着手金

報酬に関わらず弁護士に依頼をする際、委任時に必ずかかってくる費用です。

 

報酬金

債務整理手続きが成功した際に支払う費用です。

 

手数料

債務整理をするにあたって手続きの上で必ず必要となる費用です。

 

任意整理をした際にかかる参考費用

債務整理を任意整理によって行う場合には、着手金は2~4万円、報酬金は減額された債務の20%、手数料は切手代などで多くとも数千円程度となっています。報酬金については弁護士事務所によって解釈の違いも大きいため、どのような債務からの20%なのかはしっかりと確認をしておくと良いでしょう。

 

自分に合った債務整理手続きが必ずある

自分に合う債務整理を考える

借金の整理を検討する場合、それぞれの置かれている立場や状況に応じて、適正となる手続きが違います。債務整理は全部で4つしかありませんが、必ず自分に適正となる手続きがあるはずですので、確認をしてみましょう。

 

適正判断の基準となるのが、1ヶ月の収支です。まずは今ある借金の返済は考えないものとして、1ヶ月の収支表を作成してみます。自分はいったい毎月何にお金を使っているのか、無駄な出費はないか、一度しっかりと確認してみましょう。ここで残った金額が、1ヶ月の返済に充てられる基本原資というわけです。

 

次に、現在の総債務額を任意整理の長期分割の基準である60回で分割返済したときの1ヶ月の返済額を出しましょう。ここで出た金額が、先に出した基本原資で返済していけるか否か、というわけです。

 

なんとか返済していけそうであれば、適正な手続きとしては、任意整理か特定調停となります。とても返済が無理そうであれば、自己破産か個人再生が適正手続きというわけです。

 

お金には困っているけど、自分にはどの手続きが適正なのか?もちろん今の生活を見つめ直して、債務整理について一考してみることは大事なことなのです。